皆さん
こんにちは。こんばんは。
2023年もあっと言う間に3月ですね。
この3ヶ月で世界では、大手製薬会社ファイザーの大スクープがあり、ノルドストリーム爆破事件(北極海の天然ガス・パイプライン)の大スクープがあったりと、衝撃的な動きがありました。日本のメディアはガラパゴス化しているので、相変わらず全く報道していません。👊
僕はといえば、育児休暇も2年目(最終年)に入りました。
一昨年の夏に子供を授かり、多忙は生活から急に開放され、子育てを経験。最初は戸惑いもありましたし、疲れやストレスもありました。正直、子育ては男には向いて無いっす!😂と思った時期もありましたが、自分なりに努力して1年半続けてみると、河原の石が水に洗われ丸くなるように、僕自身も丸くなり、父性と母性のバランスが整い、子供への触れ合い方も変わってきました。
そんな育児休暇も残すところあと半年ばかりです。会社からは復帰要請がありましたが、復帰するかはまだ未定です。
こんな世界だからこそ、植物を通して、日本人として、日本の為に、癒しと喜びを創造していきたいと思っています。
さて、2023年最初のBlogは、昭和の時代にその頂点へと上り詰めた『Gymnocalycium spegazzinii 天平丸』です。
古くからコアなファンが多いCactusであり、奥が深く、そして威厳があります。
▽ギムノを纏めた当時の写真集。右のハンドブックはギムノ愛好会発行のものです。
天平丸は自生地の範囲が広く、産地ごとに刺や大きさなどに様々な特徴があります。
日本ではその特徴ごとに呼び名が付いており、ざっと挙げると...
■ハーゲ天平丸(戦前ドイツのハーゲ商会から輸入した天平丸で、刺がレンガ色で、肌色が濃く、刺が優美に下に伸びている美しい天平丸。)
■マジョールタイプ
■猫爪天平丸
■サキュレント系(ドイツ系)
■I.S.I.J.系(国際多肉植物協会の実生)
■古い呼び名だと、A型(長刺)、B型(中間型)、C型(曲刺太刺)
うーん、多すぎて、ちょっと分かりづらいですよね。
英語表記もこれだけ分けれています。
■G. spegazzinii v. horizonthalonium : ( 天平丸(変種)ホリゾンタロニウム )
■G.spegazzinii v. major:( 天平丸(変種)マジョール )
■G.spegazzinii v. punillense ( 天平丸(変種)プニレンセ )
■G. spegazzinii v. unguispinum : ( 天平丸(変種)ウングイスピナム、短刺天平丸)
■G. spegazzinii ssp. sarkae (天平丸(亜種)サルカエ)
Cactusではよくある事なのですが、短刺天平丸を除き、同じタイプを見ても、全て同じではなく、違う雰囲気をしているんですよね。例えば同じ「ホリゾンタロニウム」だとしても全然違ったりするので、写真だけではまず同じタイプとは分からないかもしれません。
戦後の日本では、一時期雑交配が大流行していた時代もあったようで、日本でも色々なタイプが産まれたようです。
「天平丸」に関しては、それらを加味して、あまり名前にとらわれない方が良いかもしれません。
シンプルに、かっこいいものを選ぶ!ってのが一番だと思います。
そんな訳で、僕がオススメするカッコイイ奴に絞ってご紹介します。まだ、天平丸をお持ちじゃない方は、参考になれば嬉しいです。
Recommendation #1 黒刺天平丸
この黒刺天平のルーツは愛知県の五十鈴園さんにあります。元々は趣味家の方がアルゼンチンから日本に持ち込み、その中に黒刺が出現し、それらを選別していったものを五十鈴園さんが実生し、さらに選別して生まれたのがこちらF1の黒刺天平丸です。残念ながら、こちらは遺影になります。😭最後は頭から泡を吹いてお亡くなりになったとのことです。🤯肌に沿って流れる刺がとても美しいです。
どの世界でもそうですが、このような”本物”に見たり触れたりすると、己の感性が磨かれ、豊かにすることができますよね。
▽これは滑らかな5本刺の、扁平で美しい天平丸。信州の名人の方の実生。すっきりとした女性的な天平ですね。
▽7本刺の密度が濃いWildなタイプ。
▽これは先にご紹介した五十鈴園さんの実生です。実生してから10年近いです。
濃いウグイス色の肌が渋いっす。僕は天平丸を選ぶにあたって、この肌の色もポイントにしてます。
Recommendation #2 サキュレント天平丸
サキュレント系は刺色が白から灰色のグラデーションになる刺色がとても美しい天平丸です。
元々はドイツ由来の天平丸と聞いたことがあります。
▽肌に沿って流れる美しい曲線を持つ太刺のタイプが狙い目ですが、入手困難です。
▽これは刺が詰まったワイルドな古株です。
▽これは五十鈴園さんの猫爪天平丸の親木です。写真は現役バリバリの頃のお姿。今は滋賀県の廣仙園さんにおります。
Recommendation #3 短刺天平丸(G. spegazzinii f.unguspinum)
同じ天平でもかなり印象が変わり、とてもキュートです。こいつも狂刺や、黒刺などのバリエーションがあります。実生から大きくなるまでが非常に弱く、生存率が低いようです。故に短刺は接木が多く流通してますね。
一見、園芸種に見えますが、自然界で発見されているんですよね。自然発生的な突然変異種で、とても希少です。場所は、アルゼンチン、サルタ州のPuerta Tastilの南で、標高の範囲 海抜3000m付近のようです。Field numberはSL 44b。
▽これはその原種 Field numberSL 44b からの実生の古株です。
▽これは接ぎ降ろしの株で、刺が螺旋状になっていて、とても美しいです。個人的には傷があるくらいの方が渋くて好きですね。
これは黒肌の強刺黒刺です。
では、自生地での彼らの勇姿を見てみましょう。
形は極端に扁平で、刺の密度が半端ないっす。トゲトゲトゲトゲトゲ、無駄無駄無駄無駄無駄ーって感じですよね。😅
原産地と生息地 アルゼンチン北部の高地(サルタの南西からカタマルカの北東、トゥクマンとコルドバの北西)およびボリビアに生息してます。国を跨っていることから想像できると思いますが、生息範囲が広いんですよね。
また、生息している標高が1300〜3600mととても高地ですね。想像してみると3600mって、富士山の頂上とほぼ同じですよね。山では標高が1000m上がるごとに気温は約6℃下がるようなので、平地で30℃ある日でも、標高3000mでは12℃になります。普通に寒い。
そのことを踏まえると、いかに日本の蒸し暑い夏が、彼らにとってかなりの負担になるか分かりますね。
良い刺を出すために強光線に当てつつ、涼しくしてあげる環境作りが大事ですね。また、非常にデリケートな奴なので、灌水のタイミングや量にも気を使ってあげた方が良いと思います。
いかがでしたか?
まだ、天平丸をお持ちじゃ無い方は、是非、今回ご紹介したものから、手にしてみてはいかがでしょうか?
では、またお会いしましょう!